2011年8月26日(金)「しんぶん赤旗」

チリ 最大労組が全国スト

新自由主義政策転換求める


 【メキシコ市=菅原啓】南米チリで24日、新自由主義的な労働・教育政策の転換を要求する労働者の全国ストが始まりました。首都サンティアゴでは、ほとんどの省庁が閉鎖。主要道路の人通りが途絶え、「まるで日曜日のようだ」と報じられています。

 ストを呼びかけたのは、公共部門を中心に労働者の約11%を組織する同国最大の労働組合センター、中央統一労組(CUT)。CUTは、労働者の権利を制限するためピノチェト軍事政権(1973〜90年)が導入した労働基本法を改定することや、国民生活を圧迫する燃料税を引き下げることなどを要求し、政府との交渉を求めていました。

 しかし政府が無視する態度をとり続けたため、24日から48時間の全国ストに踏み切ったとCUTのアルトゥロ・マルティネス議長は説明しています。

 全国ストのスローガンには、公教育の無償化や教育予算の抜本的増額を政府に迫っている学生運動への全面的な支持も盛り込まれ、多くの学生や教職員も大規模なデモを繰り広げました。

 ピニェラ大統領は24日午後、労組側の要求にはいっさい回答せず、全国ストが「意図しているのはチリに打撃を与えることだ」と非難する声明を発表。これに対し、マルティネス氏は「すさまじい社会的不平等を維持・深化させている」政府の政策こそチリに打撃を与えていると反論。経済効率を優先し、貧富の格差を拡大させている新自由主義政策の転換をめざしてたたかうと表明しています。





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