2011年8月22日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 夏山ではさまざまな出会いがあります。今年は首をかしげたくなることもありましたが▼山梨県の甲斐駒ケ岳、標高差2200メートルの黒戸尾根を登りました。山頂近くの小屋に若い男女が登ってきました。「財布を登山口に止めた車の中に置いてきた」といいます。「つけはききません。明るいうちに下りてください」と小屋番は硬い表情です▼女性が「頂上を越えて北沢峠に下り、タクシーを呼ぶ」と言い出しました。峠に至る林道は一般車両通行禁止。だいたいその道ではあなた方が車を置いた駐車場に戻れないと聞くと来た道を下りて行きました。山にどういう道があるか知らなかったようです▼翌日頂上を踏んだ後は早川尾根へ。途中学生のパーティーに会いました。体調の悪そうな人は見えませんが、歩みがあまりに遅い。わがパーティーが2時間ほどで歩いたところを6時間かかり、途中夕立でずぶぬれになって日没ごろ到着しました。小屋番に「遅い時間の行動は遭難につながる」と注意されていました▼山には危険もあります。事前調査、トレーニングはもちろん、何時にどこへ着くか、計画的な行動が求められます。中高年が多かった山に若者が戻ってきたのはうれしい。しかし、安全登山の基本を学ぶ機会は少ないようです▼早川尾根小屋で隣りあわせになった男性が「共産党の不破哲三さんがこの小屋について書いた文章を読んで泊まろうと思った」と言います。こちらも職業を明かし、しばし山と政治談議。やはり山は面白い。





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