2011年8月21日(日)「しんぶん赤旗」
国庫補助金不正支出
“市に損害を与えた”
沖縄・豊見城 原告団が住民訴訟
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沖縄県豊見城市が国庫補助金事業事務費の不正支出で加算金(遅延損害金)を含む約2億3000万円を市予算で返還した問題で20日、406人の原告団は市に対し、金城豊明前市長ら幹部5人に損害賠償を命じるよう求めた住民訴訟を那覇地裁に起こしました。
訴状によると、2003年度から08年度までの間に市は国庫補助金計1億5362万5089円を人件費、賃金、需用費、賃借料など他の用途に不正支出。09年度の会計検査院報告で指摘を受け、市は加算金7464万2816円を含む計2億2826万7905円を10年度中に国に返金しました。
今年に入り、住民らが「国庫補助金の違法使用をただす市民の会」をつくり、3次にわたる住民監査請求を行いましたが、市は7月22日に棄却。住民らはこれを不服として今回の訴訟となりました。
原告団によると、03年度から08年度の不正支出による返還金では全国最高額。
記者会見で大城郁男原告団長は「補助金適正化法に違反し、市に損害を与えたのは明白であり、前市長らの損害賠償責任は当然」と強調。原告弁護人の仲山忠克、赤嶺朝子両弁護士は「前市長らは不正支出の予防・是正義務があるにもかかわらず、協同して行っており、全庁ぐるみの不法行為だ」と告発しました。
第1回裁判は、9月下旬から10月上旬に行われる見通しです。
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