2011年8月20日(土)「しんぶん赤旗」

シリア民主化デモ 5カ月

弾圧に非難強まる


 シリアでの民主化要求デモが3月半ばに始まってから5カ月がたちました。アサド政権は「改革」の姿勢をちらつかせる一方、全国各地で反政府デモの弾圧を続けています。これには国際的に非難の声が強まっています。(カイロ=伴安弘、ロンドン=小玉純一)


 オバマ米大統領は18日、声明を発表し、アサド大統領が自国民を投獄し、拷問にかけ、殺害しているとして、同大統領の退陣を要求。英仏独の首脳も同日、共同声明で同大統領の退陣を求めました。

 シリアの「同盟国」とみられていたサウジアラビアは7日、弾圧に抗議してシリア駐在大使を召還。クウェート、バーレーンもこれに続きました。

 国連人権理事会は安保理に対し、国際刑事裁判所(ICC)による調査を求めています。

 国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長は17日、アサド大統領と電話で話した際、「シリアの治安部隊による民間人への広範な人権侵害と過度な武力行使が続いているとの報道に警戒感を示」し、軍事作戦と大量逮捕の即時中止を要求。さらに「信頼できる」改革を実施し、弾圧について国連の調査に協力するよう求めました。

 アサド氏は、憲法改定と総選挙の実施、人権問題調査団の受け入れに同意。反政府デモ参加者に対する「軍と警察による作戦はすでに終了した」と伝えました。しかし、シリアの人権団体によると、この日、20人以上が軍・警察の作戦で殺害されました。

 実際、「軍・警察作戦の終了」は、各都市での「平定作戦」の完了に伴うものとみられています。デモ弾圧による死者は2000人、逮捕者は数千人に上るとみられます。

 欧米、アラブ諸国の要請を受け、国連人権理事会は22日に特別会合を開く予定です。





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