2011年8月18日(木)「しんぶん赤旗」
タイ新政権 生活向上を重視
政策を閣議決定
【ハノイ=面川誠】タイのインラック新政権は17日、最低賃金の大幅引き上げなどによる国民生活向上に重点を置いた政策計画書を閣議決定しました。来週、下院の承認手続きにかけられます。ロイター通信などが伝えました。
最賃35%〜90%引き上げも
インラック首相は閣議後、現地記者団に対して、「これまでタイは輸出を重視してきたが、これからは国内経済に焦点を当て、国民の所得を増やし生活コストを引き下げなければならない」と語りました。
県ごとに異なる最低賃金を日給で全国一律300バーツ(1バーツ=約2・56円)に引き上げます。35%から90%の引き上げ率になるといいます。
賃上げによる中小企業への負担増を軽減するため、法人税を30%から23%に引き下げ、さらに2013年には20%まで下げます。
政府によるコメの買い上げ価格を現行の約2倍となる1トン当たり1万5000バーツに引き上げます。ジャスミン米と呼ばれ国外でも人気の高いコメは2万バーツで買い上げます。
キティラット副首相兼商業相は、「前政権までは経済成長率を強調してきた。しかし、われわれは成長率だけを気にするのではなく、富の公平な分配に努力しなければならない」と強調しました。
新政権は、アピシット前政権下で国境紛争が激化したカンボジアとの関係改善に取り組むことも明らかにしました。
スクモン文化相は16日、両国共通の伝統舞踊を共同で国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に登録する計画だと明らかにしました。
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