2011年8月17日(水)「しんぶん赤旗」

非戦を選ぶ演劇人の会

弱者踏みつけ核管理社会の構造示す

市原悦子さんら原発被害の劇

今月下旬


 原発事故被害と核エネルギー問題を描く芝居に市原悦子さんらが出演―。「非戦を選ぶ演劇人の会」(実行委員は永井愛さん、渡辺えりさんら39人)は27、28の両日、東京都渋谷区の全労済ホール/スペース・ゼロで、14回目のピースリーディング(朗読劇)を開きます。

 朗読劇は福島原発事故で廃業せざるをえない酪農家など、被害を与えられた福島の人々の現実から入り、核エネルギーの問題を“非戦”ならではの視点で描きます。題名は「核・ヒバク・人間」(構成台本=非戦を選ぶ演劇人の会、演出=鵜山仁)。

 台本を担当する劇作家の一人、篠原久美子さん(50)は、「原発労働や劣化ウラン弾に象徴されるような、弱者を踏みつけにする核管理社会の構造を伝えたい」と語ります。

 篠原さんは、3・11の大震災以後、被災地に何度も入り、支援の「ご用聞き」などの活動を行いました。「パレスチナを長く取材したジャーナリストが福島県飯舘村に入っています。彼らは『ある日、突然故郷を追われる』悲しさが、パレスチナと似ているといいます。自然が美しい飯舘村に、人っ子一人いない光景…。5月に、子どもがいないのに、こいのぼりが立っていました。帰りの新幹線の中で『誰が誰のために立てたのだろう』と思い、私は壊れたように涙が止まらなくなりました」といいます。

 28日は朗読劇後のインタビューに、飯舘村の酪農家・長谷川健一さんが登場します。朗読劇には、市原悦子、円城寺あや、高橋長英、三谷昇(27日のみ)、山崎ハコ、渡辺えり(27日のみ)ほかのみなさんが出演します。

 問い合わせ先はTEL03(3352)6922青年劇場(ピースリーディング係)。





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