2011年8月16日(火)「しんぶん赤旗」

主張

教育のつどい

悩み語り合い、元気出る場に


 「教育のつどい」(教育研究全国集会2011、同実行委員会主催)が19日から3日間、千葉県内で開かれます。

 いい授業をしたい、お金を気にせず学ばせたい、不登校の子どもを支えたい…。教育への思いはつきません。一方、民主党政権は自公政権と同様、過度の競争と管理を押しつけ、「子どもの貧困」も改善されず、学校は困難にあえいでいます。

 そんな時だからこそ、子育て・教育の悩みを語り合い、経験を交流し、願いを実現する道筋を考えていく。「つどい」は私たちに元気を与えてくれることでしょう。

人間として大切に

 全体会、29の分科会、七つのフォーラムに、全国の教職員、父母らが持ちよるリポートは約400本。そこには、子どもを人間として大切にしようというメッセージがこめられています。

 朝までファミリーレストランに母といて、そこから登校する中学2年の女生徒。教師は、同僚教員、関係機関と連携し、母子に何度も話を聞きました。生徒は休まず登校するようになり、「学校に行くと楽しいことが待っている」と話すようになります。

 教師は「子どもを守るという一点で、保護者、教員は必ず一つになれる」といいます。

 行政が押し付ける施策にたいして、教育を守り発展させることも切実な課題です。

 ある教員は、愛国心を押し付けるような道徳教育には反対だが、主権者を育てる道徳教育は必要だと模索。憲法と子どもの権利条約を参考に、平和、みんな平等などの観点をすえ、教材を選定し、実践例や指導計画を提案します。

 今年、新学習指導要領が小学校で全面実施されました。学習内容がふえスピード授業になる、算数でも道徳を求めるなどの問題が指摘されていました。1学期を検証し、子どもに基礎的学力を保証するための検討が期待されます。

 東日本大震災と原発事故も大事なテーマです。被災地から多くの報告が予定されています。

 子どもと教職員の死亡・行方不明は533人、物的被害をうけた公私立学校は8千校。福島、宮城、岩手の3県だけで、転校または別の学校に通う子どもは2万2千人。住民の避難所となっている学校はなお82校あります(8日現在、文部科学省調べ)。被ばくから子どもを守る課題は待ったなしです。

 宮城県石巻市のある高校教師は「たいへんだったでしょう」といわれるのが苦痛です。「震災が起きた3・11は思い出にはなっていない。被災は過去のことではない」。津波で校舎が使えず三つの学校に分散しての授業です。 

子どもの問いにこたえ

 「日本がなくならないでください」。東京の小学校3年生のある男子は七夕の願いをこう書きました。同じクラスのある女子は「日本のためになにかやりたい」と書きました。 

 驚き、悲しみ、助け合いへの感動、自分はなにができるのか。子どもたちの思いには、社会と自分とをつなぐ問いがあります。その問いに真正面からこたえる、学校と教育をどうつくるのか。

 子どもと教師が経験したことがない事態のなかでのつどいです。現実から出発した真剣な議論が、希望の光を見いだすでしょう。





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