2011年8月3日(水)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 笑ったり、かけ声が飛んだり、厳粛な話に居ずまいを正したり。何度も会場がわいた党創立89周年記念講演会で、志位委員長が大手新聞に反省を促したくだりも、共感の拍手の多かったところです▼海外に住んでいて3・11の前後に日本に帰った人は、一様に驚きます。新聞・テレビの報道の異常。一時帰国のあるジャーナリストは、「メディアのていたらく」と切って捨てました。無理もありません▼御用学者といってさしつかえない大学教授たちがテレビに出ずっぱりで、原発事故は「心配ない」「収まる」式の解説をくり返す。新聞は、「原発がなくなれば暮らしも経済もたちゆかない」式の脅し▼東京電力の会見で大手メディアの記者たちが、記者なら当然抱く疑問を一言もぶつけないようすも、広く知られました。あげくに、九州電力「やらせメール」についての内部告発の、事実上の黙殺です▼電力業界の広報担当者の打ち明け話を引きつつ、業界が広告費をえさに大手新聞を原発推進派に抱き込んでいったいきさつを語る志位さん。メディアは、利権でつながる“原子力村”の広報部門でした▼最近、「報道災害」という言葉も聞きます。津波など自然災害、政・官界や業界が「安全神話」をふりまき原発を推進した人災、加えて人命より原発の報道界がもたらす災害。報道が、現実と世論からあまりにも離れたため、公正さを加味する見直しもあるでしょう。が、市民のメディア監視は欠かせません。本紙のいっそうの奮闘とともに。





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