2011年8月3日(水)「しんぶん赤旗」

防衛白書「震災支援で同盟深化」

中国を「高圧的」と明記


 北沢俊美防衛相は2日、閣議で2011年版「防衛白書」を報告し、了承されました。白書は冒頭で東日本大震災の対応を特集し、米軍による被災者支援の「トモダチ作戦」について、「米軍の支援を得て行われた日米共同の活動は、今後の日米同盟の更なる深化に繋(つな)がる」と位置づけました。

 米軍・自衛隊による支援活動で得た経験を昨年12月に閣議決定した新防衛大綱・中期防、6月に行われた日米安全保障協議委員会(2プラス2)合意の具体化につなげる狙いを示すものです。

 白書はまた、新防衛大綱・中期防で定められた「動的防衛力」とその構築のための南西地域・先島諸島への自衛隊増強に言及し、自衛隊の「防衛力の実効性向上のための構造改革」を「東日本大震災の教訓なども踏まえ」ながら検討していくとしています。

 中国については、尖閣諸島問題などを念頭に「わが国を含む周辺諸国との利害が対立する問題をめぐって、高圧的とも指摘される対応を示す」と指摘。軍事力の増強について、「わが国を含む地域・国際社会にとっての懸念事項」であると述べています。中国軍関係者が海軍の作戦のために日本周辺に引いているとされる「第一列島線」「第二列島線」を初めて掲載しました。

 沖縄県の米軍基地問題では、2006年の在日米軍再編のロードマップを「補完、着実な実施を確認」として、普天間基地(同県宜野湾市)の「移設」と称する同県名護市辺野古への新基地建設を「できる限り早く完了」することを推進するとしています。





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