2011年8月2日(火)「しんぶん赤旗」

デモ隊に発砲 136人死亡

シリア、戦車を投入

民主化要求 民間人に無差別


 【カイロ=伴安弘】シリアのアサド政権は7月31日、中西部ハマでの民主化要求デモを鎮圧するため、戦車部隊を投入、政府軍による民間人への無差別発砲で100人が死亡しました。人権団体などによると同日、シリア各地で軍の攻撃があり、少なくとも136人が死亡しました。1日での犠牲者数は、3月半ばに反政府デモが起きて以来、最悪となったとみられます。

 ハマでは30日のデモに50万人が参加し、アサド政権の退陣を要求していました。治安部隊は31日早朝、戦車とともに市内に進攻し、デモ参加者に発砲しました。戦車部隊が市内に入ったのは、2カ月前に同市から撤退して以来のことです。

 死者の数はシリアの複数の人権団体が明らかにしたもので、それによると東部のデリゾールで少なくとも19人、南部のヘラクで6人、ホムスで5人などハマを除く各地で36人が死亡しました。首都ダマスカスの複数の郊外都市では負傷者や逮捕者が多数出ています。一方、国営通信は、政府軍兵士5人が死亡したと報じました。

 シリアでの治安部隊によるデモ弾圧で犠牲となった民間人の数はこれまでに1500人以上、治安部隊・軍兵士の死者は350人となっています。また1万2000人以上が逮捕されたほか、3000人が行方不明になっているといいます。

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