2011年7月30日(土)「しんぶん赤旗」

玉突き天下りあっせん

塩川議員 国交省疑惑の調査要求


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(写真)質問する塩川鉄也議員=29日、衆院内閣委

 民主党の菅直人内閣は、天下りの「あっせん禁止」を掲げながら、国土交通省の現役官僚によって所管公益法人の“玉突き”ОB人事という天下りのあっせんが行われていたという重大疑惑が29日、明らかになりました。日本共産党の塩川鉄也議員が衆院内閣委員会で取り上げたもので、厳格な調査と天下りそのものの禁止を求めました。

 塩川氏によると、ことし2月2日、国交省九州運輸局次長の澤山健一氏が「日本小型船舶検査機構」の業務担当理事に現役出向したことから一連の玉突き人事が始まりました。(図参照)

 同機構の吉海浩一郎理事(元国交省海事局安全技術調査官)、山内一良理事(元国交省大臣官房付)の2人が2月1日に退任。吉海氏は、これまでも横浜海上保安部の巡視船長や海事局安全技術調査官が、「調査役」や「技術部部長」として天下りしている放射性物質などの運送会社「原燃輸送」に4月1日、再就職しました。

 一方、山内氏は、4月1日、財団法人「海技振興センター」の常務理事に就任。前任者の桑原薫氏(元船員中央労働委員会事務局長)は3月31日に退任し、6月6日、社団法人「日本冷蔵倉庫協会」の理事長に就任しました。

 塩川氏は、3法人の常勤理事、理事長などが国交省の3代連続ポストになっていることを指摘。「国交省によるあっせんの疑いが濃厚だ」としたうえで、国交省ОBから重大な内部告発があったことを紹介しました。

 このOBは、海技振興センターの理事長から桑原氏と山内氏の異動の件で、国交省の審議官から連絡があったという話を聞き、理事長に確かめたところ、理事長は、宿利正史審議官から「桑原を替える」といわれたといいます。また、国交省の担当課長に「ОB人事は誰が決めているのか。裏で決めているのは審議官ね」とただすと、担当課長は「そうです」と答えたといいます。

 塩川氏は、「この一連の玉突き人事は、役所がシナリオを描いたものだ。だからこそ、はじき出されたОBがみんな収まるところに収まっている。現役官僚によるあっせんは国公法違反だ。関与についてしっかり調査せよ」と迫りました。

 枝野幸男官房長官は、「官房もやるが、(国交省の)政務三役でしっかり調査させたい」と答えました。

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