2011年7月29日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 「勤労青少年の日」は、毎年7月の第3土曜日です。ことしは16日でした▼厚生労働省によれば、「働く若者の福祉について広く国民の関心と理解を深めるとともに、働く若者が社会人、職業人として健やかに成育しようとする意欲を高める」日。勤労青少年福祉法という法律にもとづき、当時の労働省が1970年に定めました▼法律は、会社や行政に促します。働く若者が職場に適応できるように、職業訓練やレクリエーション活動を。しかし現実は、「働く若者の福祉」という言葉がむなしい。早い話、“現代の奴隷”のような派遣労働者のどこに「福祉」があるのでしょう▼若者が最低賃金で暮らすとは? 各地の若者とともに、京都総評の青年部も毎年、1カ月の体験に挑戦しています。ことしは先月でした。京都の最低賃金は、時給749円。ある人は、早々に暗雲がたれこめます。友人からきていた結婚式の招待状。贈りものも用意したようです▼式当日の19日目、ブログに書きます。「ついに…最賃生活、アウト」「お祝いしたい気持ちは山々なんですが」。最後は食事抜きに陥ります。別の人は悩みます。震災の東北を支援したいが、お金が…▼人間1人の生存を保つたいへんさに加え、「勤労青少年の日」の趣旨がうたう「社会人」として生きる難しさ。最低賃金は、10月から上がります。審議会の答申では国平均6円上げの736円です。ことしの「勤労青少年の日」の標語は、「勇気出せ 初めの一歩 繋(つな)がる未来」です。





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