2011年7月21日(木)「しんぶん赤旗」

主張

「浜岡」7・23大集会

永久停止・廃炉へ力合わせて


 中部電力浜岡原子力発電所(静岡県御前崎市)の廃炉を求める大集会(ひまわり集会)が23日、静岡市内で開かれます。

 「世界一危険な原発」といわれる浜岡原発は、東京電力福島第1原発の事故後、政府の運転中止要請で停止中ですが、中電は津波対策を行った後に運転再開するとしています。しかし、それで危険が取り除かれるわけではありません。集会は、浜岡原発の永久停止、廃炉の一点での国民的合意を広げようと研究者、医師、弁護士、労働組合代表などの6氏が呼びかけ、多くの著名人も賛同し、県内外からの多くの参加を訴えています。

「世界一危険」な原発

 浜岡原発は、東海地方から四国地方の沖合の海底にある南海トラフ(海溝)沿いに発生するマグニチュード8級の巨大地震、東海地震の震源域の真上にたっています。東日本大震災後、全国で地震活動が活発化しており、東海地震が東南海地震や南海地震と連動し、さらに巨大な地震、津波を引き起こす危険も指摘されています。

 国が特別な立法までおこなって対策を立てている想定東海地震の震源域の真上にある浜岡原発は「立地そのものがおかしい」(茂木清夫地震予知連絡会元会長)原発です。「世界一危険」といわれるゆえんです。

 東日本大震災後の浜岡原発をめぐる動きは混乱を極めました。中電は、稼働中だった4、5号機に続き、定期点検で停止中だった3号機を予定通り7月に再稼働するという方針を発表しました。あの大事故を目の当たりにしても「安全神話」に立って浜岡原発の運転を続けるという中電にたいして、世論の批判が沸騰しました。

 各地で浜岡原発の緊急停止を求める住民運動が広がり、日本共産党の志位和夫委員長が3月31日の菅直人首相への申し入れで浜岡原発の停止を求めました。菅首相も5月6日になってようやく浜岡原発の停止を要請し、中電は原子炉を止めました。

 しかし、これは一時停止にすぎません。しかも、菅首相は「浜岡は特別なケース」とのべ、原子炉停止を他の原発に波及させることはないと言明しました。そこには、原発依存からの脱却という明確な展望はまったく欠けていました。

 浜岡原発は、日本の大動脈である太平洋ベルト地帯の真ん中に立地し、福島と同様の事故があれば、日本の社会、経済の全体に壊滅的な影響を与えかねません。福島の原発災害はあまりにも悲惨で、しかもそれがいつ終わるかも見通せない厳しいものです。いったん事故が起きれば制御することも、収束させることも困難な原発事故の危険性は、日本のすべての原発に共通しており、とりわけ浜岡原発は一時的な停止ではなく、永久に運転をやめ、廃炉にすべきです。

「原発ゼロ」への一歩に

 「ひまわり集会」という集会の名称は、土壌の放射性物質を吸収してほしいというこの花への願いをこめてつけられました。福島原発の事故で、これから長年にわたって放射能汚染という災厄に向き合わなければならない日本国民は、いま大きな選択のときを迎えています。

 世界一危険な浜岡原発は永久停止し廃炉に。国民の良識を大きな声と運動にして「原発ゼロ」への道を踏み出すことが重要です。





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