2011年7月20日(水)「しんぶん赤旗」

福島原発事故 安定的冷却 ほど遠く

政府・東電 「工程表ステップ1達成」


 原子力災害対策本部の政府・東京電力統合対策室は19日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の「事故の収束に向けた道筋」(工程表)について、これまでの評価と今後の見直しについて発表しました。

 発表から3カ月間を期限として「放射線量を着実に減少傾向とする」ことを目指したステップ1については達成したと表明。今後3〜6カ月間に「放射線量を大幅に抑える」としたステップ2で具体的に取り組む事項を明らかにしました。

 海江田万里・経済産業相と細野豪志・原子力災害担当相は、福島第1原発の原子炉から放出されている放射性物質の量が6月末の時点で1時間当たり約10億ベクレルとみられると説明。事故直後に比べ、約200万分の1に減少し、敷地境界付近の放射線量は年間約1・7ミリシーベルトと推定できると述べました。

 さらに、高濃度放射能汚染水を処理して原子炉の冷却に使う「循環注水冷却」などをあげて、ステップ1を達成できたとしました。

 しかし、放射性物質が依然として大量に出続けていることに変わりなく、循環注水冷却の柱となっている汚染水処理システムはトラブルが相次ぎ、稼働率も70%程度しかなく、安定的な冷却とはいいがたい状態が続いています。





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