2011年7月15日(金)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 作家・小林多喜二の母セキさんは、1961年5月、87歳で亡くなりました。ちょうど50年前です▼前年の10月、日本共産党に入党しています。また晩年、キリスト教信仰の道も歩んでいました。セキさんは、志半ばで命を奪われた多喜二の遺志をつぐとともに、「貧しい人々のために生きる」気持ちを人一倍強くしていたようです▼先ごろ出た『母の語る小林多喜二』(新日本出版社)を読み、弾圧下の多喜二の身を案じるセキさんのいちずな母性愛に打たれました。と同時に、行間から伝わってきました。セキさんは、死も覚悟して信念に生きる多喜二を誇らしく見守っていたのだ、と▼戦後間もないころの聞き書きです。軍国日本は倒れ、ひとまずセキさんも胸のつかえが下りていたのでしょう。「いつか多喜二は、屹度(きっと)我々の主張することが、必ず実現される時代がくると思うと言ったことがありますが、丁度それは今の世のことを予言したようなもので…それが時の政府の反感を買ったのですから、今思えば変なものです」▼日本共産党はきょう、創立89周年を迎えました。「貧しい人々のために」「すべての困っている人とともに」。多喜二やセキさんから受け継いだ立党の精神を、東日本大震災の被災者を支援する仕事で発揮している最中です▼創立90周年をめざし、党を大きくする大運動も始まりました。綱領の実現へ“2010年代を党躍進の歴史的時期に”。25回大会の提案の先には、創立100周年の日が視野に入ってきます。





もどる
日本共産党ホーム「しんぶん赤旗」ご利用にあたって
(c)日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 TEL 03-3403-6111  FAX 03-5474-8358 Mail info@jcp.or.jp