2011年7月13日(水)「しんぶん赤旗」

泊・大飯原発の「調整運転」

保安院「法令上問題」


 経済産業省原子力安全・保安院の森山善範・原子力災害対策監は12日、北海道電力泊原発(北海道泊村)3号機と関西電力大飯原発(福井県おおい町)1号機が4カ月にわたって「調整運転」を続けていることに対し、「法令上、問題が生じる可能性がある」と、両電力会社に検査申請を出すよう促していると述べました。

 内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は、11日の記者会見で「明らかにいいことではない」とし、保安院に「適切な対応を期待している」と述べていました。

 大飯原発1号機は昨年12月に、泊原発3号機は今年1月にそれぞれ定期検査に入り、原子炉をいったん停止。検査を終えて、それぞれ震災前の3月上旬に調整運転を開始しました。

 調整運転は営業運転の再開を判断する試験運転で、通常は1カ月程度。この間に国の最終検査である総合負荷性能検査を受けて定期検査終了の合格証が交付され、営業運転を始めます。泊原発3号機は初めての定期検査です。しかし、両原発は最終検査を受けないまま、調整運転を4カ月以上続けており、営業運転と同じ出力で発電しています。

 森山・原子力災害対策監は「通常を大きくはずれる。長期化することは法令上、問題が生じる」と、電気事業法に触れる可能性も指摘しました。

 また、これに関連して、政府が提示したストレステストの統一見解で、定期検査で停止中の原発は1次評価を行うとあります。定期検査が終了していない両原発について、森山氏は「運転中なので1次評価の対象ではない。2次評価を行う」と統一見解のわかりにくさを示しました。





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