2011年7月3日(日)「しんぶん赤旗」

馬毛島に米基地いらない

住民抗議 防衛省説明「騒音70デシベル」

西之表


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(写真)「米軍基地反対」と抗議する参加者=2日、鹿児島県西之表市役所

 鹿児島県西之表(にしのおもて)市の馬毛島(まげしま)を米軍空母艦載機離着陸訓練(FCLP)の候補地として日米両政府が共同文書に明記した問題で、種子島西部で騒音基準値を上回る70デシベルに達することが2日、明らかになりました。同市を訪れた小川勝也防衛副大臣が説明しました。

 防衛省が配布した資料には、米軍訓練に伴い「地域に最も大きな影響を与えるものとして、FCLPによる航空機騒音が考えられる」と明記。夜間訓練の場合、西之表市で70デシベルに達する可能性があります。

 これに加えて、「港湾整備、保安水域・訓練水域の設定に伴う漁業制限が考えられる」としています。

 また、騒音や漁業制限など地域への影響に対する“補償”として防衛施設周辺対策事業や基地交付金、米軍再編交付金を列挙。自公政権時の“アメとムチ”の手法をそのまま使おうとしています。

 小川副大臣の訪問に先立ち、抗議集会が市役所前で開かれ、200人が参加しました。

 小川副大臣などが到着すると、参加者から「馬毛島に基地はいらない」「米軍帰れ」の大きな唱和がいっせいに起こり、車は包囲され、「米軍基地反対」「市長、町長がんばれ」の声は市役所3階の説明会会場まで響きました。

 「米軍基地等馬毛島移設問題対策協議会」の1市3町の首長・議長らは「副大臣の発言はアメリカ的発想。屋久島は、世界遺産の島として自然を守る国家的責務を負っている。基地は絶対容認できない」(日高十七郎屋久島町長)、「説明は何一つ理解できなかった。農林水産業、観光、商工業を自らの力で発展させる。引き続き断固反対の意思は変わらない」(長野力同協議会会長・西之表市長)と改めて反対を伝えました。

 会議終了まで待機していた集会参加者に長野市長らがお礼をのべ、「断固反対の立場は変わりません。一緒にがんばりましょう」と報告すると拍手と歓声、指笛が響きました。

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