2011年7月2日(土)「しんぶん赤旗」

「教育予算を」40万人

チリ 民政移管後最大級デモ


 【メキシコ市=菅原啓】南米チリで6月30日、教育予算の増額など教育政策の改革を要求するデモが行われ、全国の主要都市で学生や教職員ら約40万人(主催者発表)が参加しました。1990年の民政移管以後最大の規模です。

 チリでは、ピノチェト軍政時代(1973〜1990年)に新自由主義的な教育制度が作られ、公立学校よりも、私立学校を優遇する政策が続いてきました。

 デモを呼びかけた大学生連合や教員組合は、この政策の結果、所得による教育格差が広がり、教育全体の質が低下していると批判。教育を民間や市場まかせにせず、国が責任を負う制度に改革するべきだと主張しています。また国内総生産(GDP)比4%に抑え込まれている教育予算を、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の勧告に従い、7%にまで引き上げるよう要求しています。

 首都サンティアゴでは、約20万人が大通りを埋め尽くし、「ピノチェトの教育(制度)は終わりに」などの唱和を繰り返しました。

 担当大臣のラビン教育相は、今回のデモについて過度に政治化された運動だと批判的なコメントを発表、学生たちの怒りを増幅させています。

 チリ大学生連合のカミラ・バジェホ議長は、ラビン氏は交渉相手として不適切だとして、教育相の辞任を要求。ピニェラ政権に対し、公教育を重視する教育制度の是非を問う国民投票実施を迫っていく考えを明らかにしました。





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