2011年7月1日(金)「しんぶん赤旗」

社会全体へ補償求める

元ポト派幹部の公判終了

カンボジア


 【プノンペン=面川誠】当地のカンボジア特別法廷で27日から開かれていたポル・ポト政権(1975〜79年)の元最高幹部4人に対する初公判が30日に終わりました。4日間の公判で被害者は、「被害者だけではなく、社会全体への補償」となる措置を求めました。

 被害者の人たちは、「われわれは真実と正義を追求し、相応の補償を求める」として、追悼施設や資料館の建設、被害者に対する精神的治療施設の設立、ポル・ポト政権時代の実態を若い世代に伝える学校教育の拡充などを訴えました。

 今回の公判では、本格審理に先立ち被告、検察、被害者がそれぞれの主張を展開したほか、裁判所が提示した証人リストについて意見を述べました。求刑と罪状認否にあたる検察、被告双方の冒頭陳述は、8月以降の公判になる見通しです。

 キュー・サムファン元国家幹部会議長(79)は、「みなさんは当時なにが起きたのかを明らかにしたいのだろう。私もこの時を待っていた。法廷に貢献したい」と発言。一方で、「私はすべてを知っていたわけではない」と述べ、虐殺や強制労働への責任を否定する姿勢を示しました。





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