2011年6月28日(火)「しんぶん赤旗」

オスプレイ沖縄配備

宜野湾市長・知事が質問状

騒音・事故のデータ要求


 沖縄の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)に垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが来年10月から配備されようとしている問題で、宜野湾市の安里猛市長と沖縄県の仲井真弘多知事はこのほど連名で、北沢俊美防衛相に質問状を提出しました。 (榎本好孝)


騒音被害が増加

 騒音問題で防衛省は、オスプレイは普天間基地に現在配備されているCH46輸送ヘリコプターより一般的に静かだと指摘しています。同省作成の資料は、米西海岸の海兵隊基地にオスプレイを配備する際に実施された環境影響評価最終報告書から騒音の比較表を紹介。それによると、オスプレイの騒音レベルはCH46に比べて着陸時は大きく、それ以外の巡航時は低いという結果になっています。

 しかし、この表ではオスプレイのヘリコプターモード時の騒音レベルは着陸時を除いて示されておらず、巡航時の騒音レベルは固定翼モードでの数値になっています。

 これに対し質問状は、ヘリコプターモードと固定翼モードそれぞれの計測データによるCH46との騒音比較を示すよう要求。米西海岸の海兵隊基地と普天間基地では周辺環境と飛行ルートなどの運用が異なり、民間住宅地に隣接する普天間基地では「騒音被害の増加が懸念される」と指摘し、政府の認識をただしています。

 また、普天間基地での騒音測定結果が毎年多くの測定局で環境基準値を超過している現状を踏まえ、オスプレイ配備にどう対応するのか質問。オスプレイが固定翼モードで旋回する場合などは騒音エリアが拡大することを指摘し、騒音被害を最も軽減できる飛行経路と飛行モードの組み合わせパターンを示すよう求めています。

死亡事故に不安

 オスプレイは試作・生産初期段階で重大な墜落事故を4回起こし、昨年4月にもアフガニスタンで死傷者を出す着陸事故が発生。それ以外にもエンジンカバーからの出火や故障による不時着などの事故が報告されています。

 ところが、防衛省作成の資料で示されている事故率のデータは、前記の4件の墜落事故や昨年4月のアフガンでの事故を除外しています。

 このため質問状は「過去の開発段階において死亡事故を起こしていること等から県民が不安を抱いている」とし、これまでの事故の内容や原因、開発段階も含めた他機種との事故率の比較などを示すよう求めています。





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