2011年6月24日(金)「しんぶん赤旗」

返済不要の奨学金を

被災学生救え 奨学金の会が要請


 「国民のための奨学金制度の拡充をめざし、無償教育をすすめる会」(奨学金の会、三輪定宣会長)は23日、文部科学省と財務省を訪れ、被災した学生に返済不要の給与奨学金を支給するなど緊急の対応を求めました。

 現行の奨学金制度は、災害時の「緊急採用」でも貸与制です。奨学金の会によると、東日本大震災を理由とする緊急・応急採用奨学金の申請者は4、5月の2カ月で約1500人。しかし、被災した生徒・学生の申請者に対して、「将来、奨学金の返還を延滞した場合に個人信用情報機関に個人情報が登録される」ことへの同意を強制しています。

 三輪会長は文科省に対する要請で、給与奨学金は与野党、財界からも要望されていると指摘。「苦労されている被災者にまず給与制をスタートさせてほしい。希望のステップになる」と訴えました。担当者は「検討しているが、財政上難しい」と答えるだけでした。

 文科省には、学生生活費相当分の給与奨学金支給▽緊急・応急奨学金の申請について、個人信用情報機関登録への同意を採用条件にしない▽返還滞納者は少なくとも1年間は延滞情報を登録しない▽日本学生支援機構は後に被災していたことが判明した場合は延滞情報の登録を抹消する▽被災した返還者に機構が被災の程度に応じて返還を免除するなどの措置をとる―などを求めました。





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