2011年6月22日(水)「しんぶん赤旗」

除染装置も一時停止

福島第1 汚染水処理に遅れか


 東京電力は21日、福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)のタービン建屋地下などにたまっている高濃度放射能汚染水を処理するシステムが試験中に一時停止したと発表しました。水を送るポンプの流量が多すぎたのが原因で、東電は調整したうえで午後に試験を再開しました。

 処理システムは、主にゼオライト(沸石)をつめた塔の中に汚染水を通してセシウムなどを取り除く「吸着装置」と、薬品を使って放射性物質を沈殿させる「除染装置」からなります。

 問題のポンプは、除染装置で使う薬品を希釈する水を送るためのもの。午前0時45分からシステム全体に汚染水を流す試験を行っていたところ、同7時20分ごろ、ポンプが自動停止したといいます。

 ポンプで送り出した水は、希釈用の配管と循環用の配管に分かれて流れますが、循環用の配管の側で流量が多すぎることを知らせる信号が出て、停止したといいます。

 汚染水は、原子炉の冷却に使用した水が漏れだしたものです。東電は、汚染水を減らすため、処理システムを通した後、再び原子炉に戻す計画で、当初は15日に本格稼働させる計画でした。

 しかし、真水を通す試験で水漏れが発生したほか、17日から始めた汚染水を使った試験でも吸着装置のところで予定していたレベルを超える放射線量を検出するなどトラブルが続出し、いつから本格稼働できるか、いまだに見通しが立たない状態です。

 一方、汚染水は毎日増え続けているため、東電は同日、1〜3号機の原子炉への注水量を1時間当たり0・5〜0・9立方メートル減らしました。しかし、汚染水の処理が進まなければ29日にはあふれだす危険があるといいます。





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