2011年6月8日(水)「しんぶん赤旗」

イエメン野党勢力 副大統領への権限移譲支持

“政権交代への第一歩”


 イエメンの野党連合は6日、サレハ大統領の負傷にともない大統領代行に就任したハディ副大統領への権力移譲について、政権交代への第一歩だとして支持を表明しました。


米は即時移行主張

 野党連合の幹部はロイター通信に対し、「野党勢力は、副大統領への完全な権力移譲を支持する」と述べ、大統領権限の全面移行を求めました。

 サレハ氏は、反政府武装勢力の大統領府への攻撃によって負傷。4日にサウジアラビアに渡航し、治療を受けています。ハディ氏は6日、与党・国民全体会議(GPC)の会合で、サレハ大統領が順調に回復し、数日中に帰国するとの見通しを示しました。

 野党連合側は、サレハ氏の帰国を阻止する構え。同氏が職務を再開した場合、反体制運動を主導した青年らと暫定協議会をつくり、新政権の受け皿とする考えを示しました。

 イエメンでは今年1月から、中東・北アフリカ地域の民主化の影響と国内の部族による反政府活動のために政情がさらに不安定化していました。

 この間、サウジを含む湾岸協力会議(GCC)諸国はイエメンの治安問題が自国の安全保障に直接に結びついているとして危機感を強め、政権移行案を提示。当事者にすべての暴力の停止と、交渉による政権移行の実現を呼びかけ、サウジは紛争の仲介役を担いました。

 サレハ氏は同案を受諾したにもかかわらず、署名を拒否。米国やサウジはサレハ氏に圧力をかけ続けました。

 英独仏伊スペインの欧州5カ国首脳は6日に声明を発表。GCCが示したサレハ氏辞任を含む政権移行案を全面支持し、同案に基づく和解を求めました。一方、クリントン米国務長官は同日の記者会見で、サレハ氏の帰国いかんにかかわらず、「政権の即時移行がイエメン国民にとって最善の利益」と主張しています。





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