2011年6月6日(月)「しんぶん赤旗」

「君が代」強制・定数削減 “審議なき”採決強行

「強権許さぬ府民運動を」

党大阪府議団  宮原威団長に聞く


 橋下徹大阪府知事が率いる「大阪維新の会」が3日から4日未明にかけての府議会本会議で、強行採決し成立させた「君が代」起立強制条例と議員定数削減条例。知事の狙いや条例の問題点を日本共産党府議団の宮原威(たけし)団長に聞きました。(聞き手・松田大地)


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(写真)宮原威・日本共産党府議団長

 どちらも民主主義の根幹にかかわる問題なのに、まともな審議もなしに決めたのはあまりにも乱暴なやり方です。橋下知事の手法はすべて、民主主義なき“多数決主義”です。多数決はきちんと議論したという前提があってこそですが、「君が代」起立強制条例は委員会で2時間半ほど、定数削減条例では特別委員会での審議の場すらつくらず、本会議で審議なしに強行しました。条例案の説明もまったくありません。

もの言えぬ教員

 政府はこれまで、憲法が保障する「思想・良心の自由」のため、「君が代」での起立・斉唱は強制できないと繰り返し国会で答弁してきました。教育は子どもの考える力を育むのが目的であり、押しつけが一番なじまないものだからです。

 しかし、3年間の橋下府政は、全国学力テストの結果公表をめぐって府教委を批判した問題でも分かるように、知事が教職員をコントロールし、教育全体を支配しようという動きを強めてきました。「自分に逆らうことは許さない」と、もの言わぬ教職員をつくるものです。

 強制によって、教育現場は管理と競争教育が深刻化し、もの言うことができなくなり、「日の丸・君が代」の歴史的経過や過去の戦争で日本がアジアや国民に与えた被害の実態もますます伝えられなくなります。

 9月議会には、橋下知事が、起立しない教職員を処分する条例案を提出すると言っていますが、さらには府や府内自治体の職員にまで強制が及んでいくことが危惧されます。

「勝てば何でも」

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(写真)条例強行を批判する曽呂利邦雄府議(右)=4日、大阪府吹田市

 「維新」が議会で過半数をとったといっても得票率は4割です。「君が代」強制も選挙中は一言も語っていません。にもかかわらず、「選挙で勝てば何でもできる」と強弁しているところに橋下知事の本質があります。

 現在109議席ある定数を88に減らす定数削減条例は、他会派の出席がないまま、押し通しました。

 約6割の選挙区が1人区になり、2人区とあわせると9割です。4月の投票結果をあてはめると、投票総数全体の4割は死票になります。一方で、「維新」の議席占有率は52・29%から61・36%に増加します。府民の多様な意見が離れていき、「定数削減」ではなく、「民意の削減」です。

 公明、自民、民主各党は採決で「君が代」強制は反対し、定数削減は欠席しました。

 けれども、「君が代」は校長が職務命令を出せばいいという温度差の違いだけであって、押し付ける点では同じです。定数も削減する立場です。

 憲法と教育のあり方に、子どもの成長と安全を願う府民の願いに立って、「君が代」強制条例に正面から反対する論戦をすすめたのは、日本共産党だけでした。

 橋下知事の強権政治は、大阪を拠点に、自分の意に沿う、思うがままの流れをつくるものです。府民と橋下「維新の会」との矛盾がいっそう激しくなるのは必至です。

 今回の論戦のなかでは、「府民に挑戦する橋下流強権政治は許せない」と法曹界や教育関係者、労働組合、民主団体が次々に立ち上がり、「条例での強制はひどすぎる」との世論と運動が急速にわき起こりました。

 たたかいを通して、府民の願いに反する橋下「維新」の姿を多くの府民に伝えられたと思います。

 「君が代」強制条例の廃止と9月議会での「処分条例」を許さないたたかいを強めます。私たちも、街頭や地域の集いなどで大いに訴え、壮大な府民的運動を展開し、橋下府政の危険性を知らせたいと決意しています。





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