2011年5月31日(火)「しんぶん赤旗」

外来患者に定額負担

民主の「改革」案 新年金制度先送り


 民主党の「社会保障と税の抜本改革調査会」(仙谷由人会長)は30日、政府の「社会保障に関する集中検討会議」(議長・菅直人首相)に社会保障「改革」案を提示しました。医療分野では、受診の際に医療機関の窓口で支払う患者負担(原則3割)とは別に、毎回定額の負担を求める制度を導入。それによって生まれる財源で、患者負担に上限を設けた「高額療養費制度」を拡充することを検討課題としました。

 介護分野では介護保険の保険料支払い年齢を40歳未満にも拡大することを検討します。

 同党が政権公約で掲げた最低保障年金の創設など新年金制度への移行については「一定の時間を要する」と先送り。受給額は明示せず「おおむね7万円」との表現にとどめ、移行時期も示しませんでした。すべての公的年金制度の一元化についても「短時間で実現することは困難」としました。

 現行年金制度での対応として、非正規労働者への厚生年金の適用拡大や、被用者年金(共済年金と厚生年金)の一元化の検討を盛り込みました。

 後期高齢者医療制度は「廃止」としましたが、高齢者を年齢で差別し医療費抑制に追い込む点で本質が変わらない「新制度」への移行にすぎません。

 子育て支援では、保育に対する国と自治体の公的責任を放棄する「子ども・子育て新システム」を推進します。





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