2011年5月30日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 ゴーヤーや朝顔などつるが伸びる植物を窓辺に育てて日よけにする「緑のカーテン」。自然の力で暑さをやわらげる節電対策として注目を集めています▼ある園芸店では「売り上げは昨年の2倍の勢いです。今年から始めるお客さんも多い」と言います。わが家でも先日、初めてゴーヤーの苗を植えました▼葉っぱの間を抜けて室内に入ってくる涼しい風―。植物が根から吸収した水分を葉から蒸発するとき、周りの気温が下がることによる効果です。緑のカーテンを作ってから「夏の間、エアコンをほとんど使わなくなった」という人も少なくないと聞きます▼緑のカーテンの歴史は、江戸時代までさかのぼるそうです。長屋の軒先に縄で朝顔をつるし、品質改良を楽しみつつ涼を得ていました。吉田兼好の『徒然草』には「家の作りやうは、夏をむねとすべし」という記述があります▼高温多湿の日本では、夏の過ごしやすさを重視し、風通しをよくするのが家作りの基本でした。しかしエアコンの登場が、これを大きく変えました。今こそ、電気を使いすぎる生活を見直す良い機会でしょう▼非営利団体「緑のカーテン応援団」は、東日本大震災で被災した人たちの仮設住宅に、緑のカーテンを育てる取り組みを進めています。目標は3年間で3万戸です。夏場は室温が上がる仮設住宅。緑のカーテンが、厳しい暑さを少しでも和らげてくれますように。そして、育てる人の心に喜びをもたらし、見る人の心を少しでも癒やしてくれますように。





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