2011年5月14日(土)「しんぶん赤旗」
関空・伊丹統合法案が可決
日本共産党は反対
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関西国際空港と伊丹空港を統合する法案が13日、衆院国土交通委員会で、日本共産党を除く各党の賛成で可決されました。
採決に先立つ討論で、日本共産党の穀田恵二議員は、統合によって関西空港が抱える巨額債務を返済し、収支の改善をはかるのが狙いだが、「国民の共有財産を民間大企業のもうけや利潤獲得のために利用するものであり、空港の安全性や公共性を確保する国の責任をあいまいにする」と批判しました。
さらに、関空の負債原因について穀田氏は本来、国の責任でつくるべき国際空港を「民間活力導入」路線による株式会社方式で推進し、過大な需要予測に基づく2期工事を進めたことにあると強調。「いま行うべきは民活路線の反省と転換だ」として、関空については羽田空港と同様に国が直接管理・運営する空港として債務の解消をめざすべきだと述べました。
巨額負債抱えた大本にメス入れることが先決
穀田議員がただす
関空・伊丹統合法案は、関空の巨額負債(1・3兆円)の穴埋めをするために、関空と伊丹空港を統合した「新会社」を設立し、その事業経営権を民間に売却できるようにするものです。
穀田氏は国が管理・運営している伊丹空港を民営化した場合、「効率化」「コスト削減」が優先され、安全・環境対策がおろそかになる懸念があると指摘。また、関空と伊丹の営業収益が需要予測どおり伸びても、関空の巨額債務を返済すればほとんど利益がでないとして計画の不備を指摘しました。
国交省の本田勝航空局長は「(売却の)可能性はなきにしもあらず」などと答えました。穀田氏は「形ばかり統合しても需要が伸びなければ収益は上がらず、債務も返済できない」と指摘。歴代の自民党政権や関西財界が「民間活力導入」路線で建設をおし進めた結果、かえって債務が拡大したことをあげ、「巨額の負債を抱えた大本にメスを入れることが先決だ」と迫りました。
大畠章宏国交相は「結果的に見れば、ご指摘の側面はあった」と述べ、「民活」路線の破たんを認めました。
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