2011年5月9日(月)「しんぶん赤旗」

平和維持で役割

政治・安保 政策づくりへ

ASEAN首脳会議が確認


 【ジャカルタ=面川誠】インドネシアの首都ジャカルタで開かれていた東南アジア諸国連合(ASEAN)第18回首脳会議は8日、ASEANの平和維持機能を強化することを確認した議長声明と三つの共同声明を採択して閉幕しました。

 一連の文書は、2015年の共同体創設後を見越してASEANの役割を明確化する必要性を指摘。政治・安保分野での共通政策づくりを開始するとしています。ASEAN高官は、「世界的課題で役割を果たせる共同体をつくる構想だ」と述べました。

 同国のユドヨノ大統領が発表した議長声明は、タイ・カンボジア国境紛争を念頭に、ASEANが地域の平和維持で主導的役割を果たすと強調。米国とロシアが初参加する今秋の東アジア首脳会議(EAS)を、地域安全保障を論議する主要な場と位置づけました。

 中国と東南アジア各国が領有権を主張する南シナ海問題については、海洋安全問題としてEASで扱うとしています。今年がASEANと中国の対話開始から20周年にあたることを踏まえ、南シナ海行動宣言(DOC)の実効性を高める指針について、中国との合意を目指します。

 議長声明は、東南アジア各国が原発建設を計画していることに関し、安全性向上のためにASEANとして枠組みをつくり協力するとしました。

 ミャンマーが2014年の議長国を希望していることについては、承認を見送りました。複数の国がミャンマーの民主化進展に懸念を表明しました。

 「平和・和解機構」は、各国の研究機関が共同で創設し、紛争当事国に平和解決案を勧告します。インドネシア外務省高官は「機構が勧告する解決案は、ASEAN共同体発展に寄与するという観点から出されるだろう」と語りました。


 南シナ海行動宣言(DOC) 南シナ海問題の平和解決を目指す政治宣言。2002年に中国とASEANが署名。航行の自由の保障、軍事演習の事前通告、無人島への新規常駐の自制などを定めます。法的拘束力はありません。





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