2011年5月9日(月)「しんぶん赤旗」

志位・市田氏 宮城訪問

「国は光 示して」 各分野から切実な要求


 日本共産党の志位和夫委員長、市田忠義書記局長らが8日に行った東日本大震災被災地訪問。3日目となるこの日は宮城県入りし、津波で人的にも経済的にも甚大な被害を受けた石巻市や仙台市若林区などを訪れ、救援・復興にむけた各分野の切実な要求に真剣に耳を傾けました。


債務凍結

商工会議所と

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(写真)石巻商工会議所(浅野亨会頭・正面右から2人目)であいさつをする(左へ)志位和夫委員長、市田忠義書記局長ら=8日、宮城県石巻市

 志位、市田両氏は、石巻市で同市商工会議所の浅野亨会頭らをはじめとする企業家と懇談し、要望を聞きました。

 志位氏は、商工業の復興への課題として、(1)震災前の旧債務と再建のための債務との二重債務を解消するため、旧債務の凍結(2)信用保証の拡大と、漁業、加工業、流通業が一体となっての再建に向けた国の特別支援(3)休業補償など当面の生活保障と臨時の仕事の確保―などを一体のものとして実現することが大事だと考えていると語りかけ、「かけがえのない役割を果たしている中小商工業の再建のため力を合わせて全力で頑張ります」と表明しました。

 浅野会頭は「スピードがないと復興への燃えたぎる気持ちがなえてしまう。国が早く方向づけをしてほしい。地盤沈下した魚市場の加工団地を国有化し、整備をお願いしたい」とのべ、旧債務の80%減免や地域金融機関への公的支援、信用保証枠の拡大、被災企業の雇用確保のための雇用調整助成金や失業保険給付の拡充などの要望書を手渡しました。会員からは「ここに残るか迷うけど、石巻が好きだから頑張りたい。国は光を示してほしい」などの訴えが相次ぎました。

 市田氏は「要望はほぼ全面的に賛成です。すぐに実行できるものがほとんどですので、政治決断が問われます」とのべ、全面的な協力を約束しました。

生活再建

石巻避難所で

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(写真)避難所になっている石巻市立湊小学校で被災者から要望を聞く志位和夫委員長(左から2人目)、小池晃政策委員長(左端)ら=8日、宮城県石巻市

 まだ校庭も汚泥に覆われている石巻市立湊小学校の避難所。校舎1階の天井まで達した津波の激しさは、裏の墓石をなぎ倒すように乗り上げた何台もの車が物語っています。

 「いまご不安なことはいかがでしょうか」と語りかける志位氏。教室で寝泊まりしている年配の男性は「これから先のことです。まず仮設住宅にいつ入れるか。全部流されたから…」と語ります。

 志位氏は、「早く仮設住宅に入れるようにして、その後もしっかりした住居、仕事、生活の再建ができるよう頑張ります」と述べ、男性の手をぎゅっと握りました。

 志位氏らは、配食がおこなわれている体育館に。震災発生後、十数分で被災地入りを決めたという在日パキスタン人のボランティアの人たちに「アッサラーム。両国の友好が広がります」と述べ、握手を交わしました。

 神戸市長田区からボランティアに来ている女性は、「いま被災者の一番強い要望は交通手段。こちらでは車での生活が主ですから、ピストン輸送ができるシステムがあると助かります」と話しました。また、復興には神戸の教訓を生かしてほしいとのべ、「こちらで素晴らしいのは避難所で自宅の方々もサポートしていることです」と話しました。

 志位氏は避難生活改善のため国会で奮闘する決意を伝えました。

農地確保

仙台市若林区 農業者と

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(写真)避難所で津波被害をうけた六郷地区の農民の要望を聞く志位和夫委員長(後ろ向き左から3人目)、市田忠義書記局長(同2人目)ら=8日、仙台市若林区

 津波で大被害を受けた仙台市若林区でも、避難所を訪れ、被災者を見舞うとともに、農業関係者から要望を聞きました。

 市の沿岸部では、津波で多くの人が犠牲になりました。もともと海抜0メートル以下で地震によりさらに地盤沈下。農地の約9割が冠水し、塩害に見舞われています。

 同区三本塚地区の農家でつくる三本塚実行組合の相澤勝組合長は、地域復興に向けては、行政が津波の危険性があって居住できない区域と農地に適さない区域の線引きを早く示してほしいと要望。また「農機具や施設を再建するには5、6千万円もかかり、あきらめようかという気持ちになる」と述べ、国の支援を訴えました。

 三本塚実践組合の遠藤喜一組合長は「三本塚地区は30代前後の若者が7、8人いる珍しい地区。何とか後継者を育てたい」と話しました。

 志位氏は「私たちは、地域復興の計画は住民が決め、財政負担は国が責任を持つべきだと考えています。農家のみなさんがあきらめてしまわないよう、債務の凍結、農地確保、当面の生活保障など、国の責任で破壊された生活の基盤を取り戻すよう全力で頑張ります」とのべました。

ボランティアを激励

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(写真)党石巻救援センターで激励する志位和夫委員長(右端)、市田忠義書記局長(右から2人目)ら=8日、宮城県石巻市

党救援対策センター

 宮城県石巻市にある日本共産党の震災・救援対策センター(所長・三浦一敏石巻市議)。志位、市田両氏は、被災者のために必死で活動する党員や支持者、全国のボランティアを激励しました。

 志位氏は、「石巻は被災自治体のなかで最も死者・行方不明者の数が多く、甚大な被害を受けたところです。党の事務所も壊れ、被災された党員、支持者の方もたくさんいらっしゃるなかで、日本共産党が、人々の苦難と不安を取り除き、希望を取り戻せるように連日奮闘されていることに心から敬意を表します」と激励すると、「がんばるぞ!」の声と大きな拍手が応えました。





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