2011年5月1日(日)「しんぶん赤旗」
海洋協力強化で合意
中国・インドネシア首脳会談
【ハノイ=面川誠】インドネシアのユドヨノ大統領と中国の温家宝首相は29日、ジャカルタで首脳会談し、海洋協力のために共同委員会を設置することで合意しました。海洋安全保障、資源開発、海難事故防止などの分野で協力を強めるとしています。中国を含む多国間協力では、複数のASEAN加盟国と中国が領有権を争う南シナ海問題が障害の一つになっていました。
インドネシアは今年のASEAN議長国ですが、ユドヨノ大統領は記者会見で南シナ海問題を協議したかどうか、明らかにしませんでした。温氏はインドネシア訪問前に同国メディアのインタビューに対し、この問題を多国間協議で扱うことに反対すると言明。ASEAN側が中国をどう説得していくのか、注目されます。
会談後に発表された共同声明によると、両首脳は戦略的パートナーシップを強化することで一致。東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の協力、ASEAN地域フォーラム(ARF)や東アジア首脳会議(EAS)など多国間の枠組みでアジア・太平洋地域が抱える課題に対処することを確認しました。
インドネシアと中国の2国間関係では、貿易・投資が焦点でした。昨年の中国・ASEAN自由貿易協定(FTA)発効以来、インドネシア市場に廉価な中国製品が急増しています。両首脳は「均衡ある貿易」を目指すことで合意。ユドヨノ氏は温氏に対して、中国が投資を増やしインドネシア国内での生産を拡大するよう要請しました。
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