2011年4月19日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 東日本大震災の被災地を歩く時はマスクが欠かせません。大津波で打ち上げられた泥が乾燥し、少し風が吹いただけでも砂ぼこりが空中に舞い上がりやすい状態に。強風が吹くと目が開けられないほどです▼この泥には、廃棄物や有機物、微生物が含まれ、有害な菌が繁殖しやすいといいます。さらに建物が壊れて生じた膨大ながれきから、アスベストが飛散する危険性も指摘されています▼車を流された若い母親が、砂ぼこりのなか、幼子を背負って歩く姿も目立ち、胸が痛みます。在宅被災者の若い母親に話を聞くと目をうるませながら訴えました。「テレビなんかで、支援物資も行き届き、順調に復興しているかのように報道しているけど、あれを見ると不安になる。私たちは見捨てられるんじゃないか、って」▼被災地は、切なる思いで救いの手を求めています。「これから人命の救援から復興へと歩みを進める」という菅首相に、被災地の現実は見えているのか。「上から目線」の復興プランを押し付ける前に、やるべきことがあるはずです▼いま本当に必要な支援はなにか。被災地で救援活動にあたる日本共産党の議員らがよく口にする言葉、「被災者に心を寄せる」。親身になって考え、下着や野菜など細やかに物資を届け、生活再建の相談にのっています▼その物資や救援募金が、全国から続々と寄せられ、ボランティアも駆け付けています。被災者に心を寄せた無数の思いに支えられた救援活動。いっそう力がこもります。





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