2011年4月13日(水)「しんぶん赤旗」
請求案内は廃止明記
第一生命文書 保険金不払いの原因
佐々木議員追及
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日本共産党の佐々木憲昭議員は12日の衆院財務金融委員会で、生命保険会社による保険金不払い問題について質問し、参考人として出席した第一生命保険の渡辺光一郎社長(生保協会会長)に対し、同社が不払いを過小にみせるために金融庁に虚偽報告をしていたことを追及しました。
佐々木氏が示したのは、特定疾病に関する保険支払いの方針を定めた「103号回議書」(1998年3月27日)という同社の決裁文書。請求以外の支払うべき契約が判明しても契約者に知らせる「請求案内を今後廃止としたい」と明記されています。
佐々木氏は、「保険金を支払わなければならない契約者にたいし、払わなくてもよいと会社が決めたことになる。不払い事件の原因となる重大な問題文書だ」と批判しました。渡辺氏は同文書の存在を認める一方、「すべて改善された」と開き直りました。
さらに佐々木氏は、同社が内部で作成していた「事案リスト」(同保険金企画課作成、08年2月18日)を示し、その他にも4件の「請求案内」廃止の事例があるとしながら、同社が金融庁に「他の分野ではない」と報告していたことを指摘。「明白な虚偽報告だ」と批判しました。
同社は、昨年10月に新たな不払い事案があったことを公表しました。しかし、請求案内を廃止した事案がまだあり、不払い総額はまだ増えると思われます。
佐々木氏は金融庁に調査の徹底と、厳正処分をするよう求めました。自見庄三郎金融担当相は、「金融機関は国民の信頼が大事なので、公平、公正、厳正にそのことにしっかり答えていかねばならない」と答えました。
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