2011年4月12日(火)「しんぶん赤旗」

ペルー大統領選 左派候補 首位に

新自由主義転換訴え

ウマラ氏、6月決選投票へ


 【メキシコ市=菅原啓】南米ペルーの大統領選は10日、投開票が行われ、約20年間にわたった新自由主義路線の転換を訴えるオジャンタ・ウマラ候補が第1位となり、決選投票(6月5日実施)に臨むことが確実となりました。

 中央選管の公式集計(開票率43%)によると、ペルー国民主義党(PNP)を中心とする左派勢力の連合「ガナ・ペルー」から出馬したウマラ候補の得票率は27・0%で首位。これを大企業寄りの政策で知られるペドロ・クチンスキ元首相(得票率23・6%)、フジモリ元大統領の娘で保守政党の国会議員ケイコ・フジモリ候補(同21・8%)が追う展開となっています。

 選挙監視団体トランスパレンシアが発表した独自集計によると、ウマラ氏の得票は31%、フジモリ氏が23%となっています。

 ウマラ候補は10日夜、首都リマ市内の選挙事務所で支持者を前に勝利を宣言。決選投票で過半数の得票を得るために、すべての政治・社会勢力と対話し、支持基盤を拡大していく意向を表明しました。

 選挙戦の最終盤は、貧富の格差を拡大している現行の経済路線の転換を主張するウマラ候補にたいし、他候補やマスコミが「ウマラが勝利すれば民主主義が破壊される」などの攻撃を集中しました。

 しかし、こうした攻撃はウマラ氏への支持を掘り崩すことはできませんでした。出口調査によると、大統領選と同時に実施された国会議員選でも「ガナ・ペルー」は第1党に躍進すると予想されています。

 「ガナ・ペルー」の選挙運動委員会のメンバー、マヌエル・カスティジョ氏は本紙の電話取材にたいし、「最後の1週間、反ウマラの宣伝は強力だった。新自由主義擁護の勢力はウマラが勝ったら、民主主義も経済発展もないと恐怖をあおった。でも、現状の経済モデルを変えたいという国民の思いが恐怖を打ち破った」と語りました。





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