2011年4月6日(水)「しんぶん赤旗」

スポーツ施設 改善急務

東京 老朽化、地震で使用不能に


 東日本大震災は東京都内のスポーツ施設にも大きな被害をもたらしました。都知事選挙では災害に強いまちづくりが争点になっていますが、都内には開設から30年以上もたち、老朽化したスポーツ施設が多く残っています。被害の実情を見てみました。(青山俊明)


写真

(写真)地震で使えなくなった駒沢屋内球技場

 都立施設で最も被害が大きかったのが辰巳国際水泳場(江東区)です。地震の揺れでプール内の水が大きく波打ち、津波のような強い水圧がかかったため、深さを変える可動床がゆがんでしまったといいます。修理には長期間かかる見込みで、5日から予定されていた競泳の日本選手権が中止になるなど、大きな影響が出ています。

照明が落下

 建て替えから21年たっている東京体育館(渋谷区)は、メーンアリーナの照明が落下。都の担当者は「天井部品のボルトが折れて天板が下がってきた」といいます。当面11日まで使用を中止して被害を調査しますが、再開の見通しは立っていません。

 駒沢オリンピック公園(世田谷区)は、屋内球技場が大きなダメージを受け、「安全を確保できない」という理由で使用禁止になっています。天井の一部で金属枠がゆがみ、天井板が落ちかかっているためです。同施設は、1964年の東京オリンピックを記念して造られて以降、大規模な修理はおこなわれていませんでした。

 スポーツ振興を目的とした都立の体育施設で、無傷だったのは駒沢公園の体育館と東京武道館(足立区)だけでした。

 都は今回の震災で被災者を3カ所で受け入れており、東京武道館もそのひとつです。いざというときには避難所としての役割もになうスポーツ施設ですが、東京都では十分な役割が果たせませんでした。

 PFI方式で民間の事業者が運営する東京スポーツ文化館(江東区)は地震後、メーンアリーナで天井の照明を支えている部分で外れている箇所が見つかり、使用を中止しました。同アリーナは都立夢の島総合体育館として開館してから、35年もたっています。

 被害を受けたのは都立施設だけではありません。開設39年の千代田区立スポーツセンターは、地震でメーンアリーナの天井2カ所から排気ダクトが落下しました。地震のときに利用者がいて、当たれば重大事故になるところでした。構造物が変形して天井がゆがんでいるため、点検と修理には時間がかかります。

耐震化早く

 都内にある約35%の体育館が耐震補強もされず開設から30年以上たっています。40年以上も1割ほど残っています。今回の震災で壁にひびが入ったり、照明の固定が不安定になったりするなど、応急修理した施設は他にも数カ所ありました。

 現都政は、東京マラソンや五輪招致のようなイベントの開催には熱心でも、施設整備はおざなりにしてきました。人口当たりの体育館数は東京が全国で最も少なくなっています。加えて老朽化が進む現状は、スポーツ振興から見ても、防災の点からみても、緊急に改善が求められる課題です。

 革新都政をつくる会の代表は、災害時の避難場所や活動拠点ともなる体育館などの耐震補強工事にたいする助成をおこない、「耐震化を緊急にすすめる」政策を掲げています。

 東京都に老朽化施設の改善を求めてきた新日本スポーツ連盟東京都連盟の萩原純一理事長は「古い施設が多く、本当に大丈夫かと思うことが多い。都民が安心してスポーツできる環境が必要です」と語ります。

 都民のスポーツ環境を整備し、防災のまちづくりを進めていくためにも、スポーツ施設の改修や施設そのものを増やす都政への転換が求められます。





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