2011年4月5日(火)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 名称は「トモダチ作戦」。米軍が東日本大震災の被災者救援・支援活動として行っている作戦名です。仙台沖に艦隊を集結させ、連日、報道関係者向けに活動中の写真や発表文を大量に送信しています▼一方、震災から逃げ出している艦船もあります。神奈川県の横須賀基地を母港とする原子力空母ジョージ・ワシントンです。福島第1原発の放射能漏れ事故から艦体と乗組員を防護するためです。3月21日に出港して九州沖を動き回り、5日には長崎県の佐世保基地に入港します▼原子力空母は2基の原子炉を持つ「動く原発」です。日米両政府は「四重の防護壁がある」と言って横須賀配備を強行しました。しかし、福島第1原発では「五重の防護壁」が壊れて放射性物質が大気、土壌、海水にあふれ出しました▼もともと、原子力空母の「安全神話」自体、おぼつかないものです。米国では1999年、ジョン・C・ステニスの原子炉が2基とも緊急停止しました。メルトダウン(炉心溶融)の可能性も指摘されていたようです▼では、今回のような大震災に襲われたらどうなるか。津波による引き波で原子炉が冷却不能になり、陸上からの電力、水の供給が断たれ、炉心を冷却する安全装置が作動しなくなる。市民団体からは、このような危険性が指摘されてきました。福島第1原発と同じ状況です▼一方で被災者を支援し、もう一方で日本人を放射能事故の危険にさらす―「トモダチ」なら、地震大国・日本への原子力空母配備を見直すべきではないか。





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