2011年4月1日(金)「しんぶん赤旗」
胡主席 対リビア停戦を
「武力で解決しない」
仏大統領との会談で発言
【北京=小寺松雄】中国の胡錦濤国家主席は3月30日、訪中したフランスのサルコジ大統領と北京で会談しました。胡氏は、米英仏など連合軍による対リビア軍事攻撃を批判し、「即時に停戦して平和的解決を目指し、これ以上リビア国民の死傷を避けるべきだと関係国に呼び掛ける」と述べました。
胡氏は、リビア問題での国連安保理決議について「暴力をやめさせ、国民を守ることが目的だ」と指摘。「軍事攻撃が何の罪もない国民に及び、さらに大きな人道的危機をつくり出しているとすれば、安保理決議の初志に反している」と述べました。
そのうえで「われわれはどの国家であっても、独立、主権、統一、領土保全は尊重されるべきだと一貫して主張してきた」として、「武力を行使して国際問題を解決することには賛成できない」と言明。さらに「歴史の経験がしばしば証明しているように、武力では問題を解決できず、たださらに複雑にするだけだ。対話などの平和的手段でこそ、問題を最終的に解決できる」と強調しました。
中国外務省によると、サルコジ大統領は、「フランスも政治と外交という手段を通してリビア危機を解決することを希望している」と述べました。
安保理決議に棄権した中国と、対リビア軍事攻撃に参加している国のトップとの直接会談は初めてです。
サルコジ氏は31日に江蘇省南京へ移動し、フランスが主催する20カ国・地域(G20)の国際通貨制度に関するセミナーの開幕式に出席してあいさつしました。
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