2011年3月30日(水)「しんぶん赤旗」

原発事故 そこが知りたい

Q 建屋や海水からいろんな放射性物質が見つかっているけど?


 A 原発の原子炉内では、核分裂性の核種に中性子を当て核分裂を促しエネルギーを取り出します。通常はウラン235を使っていますが、プルサーマル運転中だった福島第1原発3号機は、核分裂性のプルトニウム239などを含むウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料が使われています。

 ウラン235やプルトニウム239は、自らも中性子を放出しながら核分裂し、それにより放射性ヨウ素や放射性セシウムなどの放射性物質が原子炉内で大量に生じます。

 しかし、運転中の原子炉では、核分裂生成物質は燃料棒の被覆管内に閉じ込められています。被覆管にピンホール(小さな穴)が生じた場合などを除き、核分裂生成物が冷却水の中に溶け込むことはほとんどありません。

 通常の運転中の冷却水には、核分裂によって発生した中性子が当たって生じた放射性物質(放射化物)が存在します。圧力容器内や配管内の劣化物が放射化したコバルト60や酸素が放射化した窒素16などです。濃度は定期的に検査されており、一定値以下に管理されています。

 今回、たまり水などから多くの核分裂生成物が見つかりました。炉心溶融により核燃料棒が大きく損傷し、放射性物質が冷却水中に溶け出し、さらに漏れ出たと考えられます。

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