2011年3月26日(土)「しんぶん赤旗」

「安保理決議順守の証拠ない」

国連総長、リビア報告


 【ワシントン=小林俊哉】潘基文(パン・ギムン)国連事務総長は24日、国連安全保障理事会でリビア情勢について報告し、「リビア当局が、(即時停戦を求めた)安保理決議1970、1973の義務を実行する措置をとっているとの証拠はない」と述べました。

 潘氏によると、リビア当局は停戦実施を主張しているものの、アジュダビアやミスラタなどで、激しい戦闘が続いていると指摘しました。

 また、リビアを訪問したハティーブ国連特使(元ヨルダン外相)がカダフィ政権に対し、決議に従わなければ、安保理はさらなる措置をとるかもしれないと伝えたと指摘。リビア政府側は、停戦要求には反政府側も従う仕組みが必要だと主張したと報告しました。一方、反政府側からは、停戦の即時実施、政府軍による包囲攻撃の中止、人道援助の要求があったと述べました。

 ハティーブ氏は、25日にアディスアベバで開かれるアフリカ連合(AU)の会合に出席すると述べ、リビアの政府側・反政府側双方が出席するとしました。

 潘氏は、リビアでの情勢悪化以来、33万5000人以上がリビアから出国し、9000人がチュニジア、エジプト国境で立ち往生していると指摘。リビア国内では食料価格が高騰しているとも述べ、人道状況に懸念を表明しました。

 また、エジプト、チュニジア当局からは、リビア国内の自国民の安全や、大量の難民がリビアから流入することに懸念が表明されたと述べ、「国際社会は、市民の犠牲を避けるために、十全な努力を払い続けることを期待する」と強調しました。





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