2011年3月25日(金)「しんぶん赤旗」

いっせい地方選と各党

危機に立ち向かう立場が問われる


 12都道県の知事選挙が24日告示され、いっせい地方選前半戦の火ぶたが切られました。今回の選挙は、地方選とはいえ、戦後最悪となった東日本大震災と福島原発事故という未曽有の危機に、政党・政治家としてどう立ち向かうのかが問われています。

 日本共産党の志位和夫委員長は、東京のJR新宿駅西口で第一声に立ち、震災の犠牲者に哀悼の意を表するとともに被災者にお見舞いをのべたうえ、未曽有の大災害のもと、被災者救援・復興に国民の総力をあげてとりくみながら、新しい社会をつくる基本方向を問うという日本共産党の姿勢を訴えました。

 これに対し、日本共産党以外の各党党首は、第一声をそろって見送りました。一部マスメディアは「被災地への配慮」などとしています。しかし、選挙が行われる以上、政党として選挙にどうのぞむのか、政見と公約を示すことは有権者に対する最低限の責任ではないでしょうか。

 北海道新聞も社説(22日付)で、各党の「選挙自粛」姿勢に対し、「被災地をおもんぱかる気持ちはあって当然だ。だが、むしろこういう時だからこそ論じなければならない道政上の課題があるはずだ」と強調。「活動自粛によって、候補者の訴えが有権者に届かないようでは困る」と述べています。

 民主党内からも、「被災と現在進行中の原発危機を前に、遊説活動に有権者がどんな反応をするか予測がつかないということだろう。しかし、選挙運動をやれない、やらないというなら最初から(選挙を)やめればよかった」という声があがっています。

 日本共産党は、甚大な被災を受けた3県だけでなく、全国的規模でいっせい地方選挙を延期すべきだと主張してきました。民主、自民、公明の3党が被災3県以外の地域での選挙実施に固執したため、この提案は実りませんでした。全国的延期に反対しておきながら、選挙になったら「自粛」というのも筋がとおりません。

 民主、自民、公明の各党が第一声に立てないのは、地方選挙では「オール与党」で悪政を推進してきたという問題もあります。

 前回、民主、自民が別々の候補者を推した「対決」型が五つあったのに対し、今回は北海道と三重県だけ。神奈川は自公民が相乗り、福井、奈良、鳥取、島根、徳島、福岡、佐賀、大分が「オール与党」による相乗りか、民主党が擁立を見送る「対決回避」型となっています。

 自公民各党は「オール与党」体制のもとで「地方分権」や「地域主権」の名で「住民の福祉を守る」という自治体本来の役割を壊してきました。相乗り構図で党首が有権者の前に顔を出すことはできないというのでは、情けない限りです。 (中祖寅一)





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