2011年3月23日(水)「しんぶん赤旗」

大統領辞任要求強まる

将軍や部族指導者からも

イエメン


 【カイロ=伴安弘】サレハ大統領の退陣を求める反政府デモが続いているアラビア半島南端のイエメンで21日、同国北西軍管区司令官のアリ・モハセン准将ら3人の将軍、主要部族の指導者、アラブ諸国などに駐在する大使らが相次いで反政府デモへの支持を表明しました。32年に及ぶ強権政権崩壊の可能性が強まっています。

 モハセン氏は記者会見で、18日に起きた反政府デモ隊への発砲で52人が死亡したことを暗に示しながら、「平和的なデモへの弾圧は日々危機を深める結果となった」と指摘。「われわれは青年の平和的な革命と彼らの要求への平和的な支持を表明し、首都の治安と安定を確保する」と述べました。

 中東の衛星テレビ局アルアラビアによると、東部軍管区司令官とアムラン地方司令官も反政府デモ側への支持を表明しました。

 モハセン氏はサレハ大統領と同じアルアハマル部族出身。同部族はイエメンで最も影響力の強い部族連合ハシェドに属しています。そのハシェドの指導者サディク・アルアハマル師は、サレハ大統領が国民の要求を受け入れて平和的に辞任するよう求める声明を出しました。

 また、シリア、サウジアラビア、レバノン、エジプト、アラブ連盟、中国に駐在するイエメン大使も反政府デモ側への支持を表明しました。

 これに対しサレハ大統領はサウジアラビアに危機打開の仲介を求めたと伝えられます。

 一方、フランスのジュペ外相は21日、欧米諸国として初めて、サレハ大統領の辞任を呼びかけました。また、イエメンを根城とする国際テロ組織「アラビア半島のアルカイダ」の策動の懸念からサレハ政権に財政援助をしてきた米国は「平和的な(権力)移行」について対話を行うよう呼びかけています。





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