2011年3月14日(月)「しんぶん赤旗」

きょうの潮流


 テレビ画面を通じ、人々の生きる姿と表情が、だんだんと全国に伝わるようになりました。避難所で、とぼしい食べ物にがまんし明日を案じる人。家族を捜す人▼再会があります。年配の夫婦が、再会を果たしました。夫は、テレビカメラの前ではにかみながら涙がとまりません。寄り添って家に向かう後ろ姿が映ります。ためらいつつ、そっと妻の肩を抱きよせる夫。妻も応じ、ぎこちなく夫の腰に腕を回す▼奇跡の生還もあります。家の屋根の上につかまり漂流していた男性が、15キロ沖で救助されました。旗を振って助けを求めていた男性は63歳。津波にさらわれる直前までいっしょにいたという妻も、どこかに元気でおられますように▼時とともに明らかになってゆく、東日本大震災のなんというすさまじさ。人が消え、地域が消え、町が消える。三陸海岸の地形を変え、地図の書き換えも迫る津波の勢いです。しかし、生き残った人々は、やがて廃虚の中からふたたび立ち上がってゆくでしょう▼大地震と津波の常襲地に、原発を相次ぎつくってきた会社や政府のごうまんさ。わが国初の、炉心が溶け出す事故は、住民を放射能もれの危険にさらしています。いまの技術では、もともと人間の手に負えない原子力エネルギーを、「安全」といってきた人たち。彼らは、なんとしても最悪の事態をふせぎ、住民の安全を守りきる責任を負っています▼震災からきょうで3日です。もはや、自然の脅威の前で立ち尽くしているときではありません。





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