2011年2月28日(月)「しんぶん赤旗」

リビアに暫定政府

前法相発表 反政府デモ側が樹立


 【カイロ=伴安弘】リビアのムスタファ・アブデルジャリル前司法書記(法相)は26日、最高権力者カダフィ大佐の独裁に反対するデモ側に加わった軍人と民間人からなる暫定政府を同国第2の都市ベンガジを拠点に樹立したと発表しました。また同国の原油生産の4割を占める石油会社AGOCOの労働者が同日、声明を発表し、反政府行動に合流することを明らかにしました。カダフィ氏の孤立化が一段と深まっています。

 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、アブデルジャリル氏は3カ月以内に公正な選挙を実施し、選出された政府に権力を移譲するとしています。同氏はカダフィ政権による国民の殺害に抗議して21日に辞任していました。

 報道によると、リビアのアウジャリ国連大使は26日、暫定政府への支持を表明し、同政府が「リビア全体の政府」だと語りました。

 反政府デモ側はリビアの東部一帯を支配下に置き、カダフィ政権の支配は人口650万のうち200万人が住む首都トリポリなどに限られるようになっています。その首都でも、労働者が多く住むタジュラ地区はすでに反政府デモ側の支配下にあることが、カダフィ大佐側の招待で25日、同地区に入った外国人記者らによって明らかになりました。

 同地区に住む労働者たちは25日夜、市中心部の「緑の広場」までデモ行進を試み、これに軍が発砲、少なくとも5人が死亡したとみられます。これに対し数千人が26日朝、犠牲者の葬儀行進を敢行。「カダフィは神の敵だ」と叫びました。

 カダフィ政権に対する包囲網が狭まるもとで、カダフィ大佐の息子サイフ・イスラム氏は26日、中東の衛星テレビ・アルアラビヤで、反政府側は少数だと主張し、状況が不安定になれば内戦になると指摘。武力による徹底抗戦の姿勢を改めて示しました。外交筋によると、政府軍の武力行使で死亡した人は26日までに2000人、またはそれを超えるとみられます。





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