2011年2月26日(土)「しんぶん赤旗」

リビア西部で衝突激化

政府軍がデモ攻撃、死者多数


 【カイロ=小玉純一】東部での支配権を失ったリビア最高権力者カダフィ大佐の軍隊は25日までに同国西部で反政府勢力に対する攻撃を強化し、多数の死者が出ています。


 中東の衛星テレビ局アルジャジーラによると、首都トリポリの西約40キロのアッザウィヤでは24日、数千人の反政府デモに対し、カダフィ軍は対空砲でデモ隊が宿泊に使ったイスラム礼拝所モスクを攻撃しました。少なくとも16人が殺害され、40人が負傷しました。死者100人との目撃情報もあります。

 政府軍将校が反政府派支持を表明したミスラタでは同日、カダフィ軍が反政府派を攻撃、13人が死亡したもようです。

 一方、反政府派はトリポリの西120キロのズワラも押さえました。25日正午にはトリポリ中心部で金曜礼拝後にデモを行う予定です。

 東部の部族指導者は24日、ベイダで会合を開催しました。会議に参加したアブドルジャリル前法相は東部地域でのカダフィ軍による住民虐殺を非難。カダフィ大佐が住民に化学兵器を使う可能性があるとして、国連、米、仏、独に対しリビア国民の保護を求めました。

 カダフィ大佐側近でいとこのアルダム氏はカイロで亡命したと表明、政権中枢部でカダフィ大佐に対する離反が拡大していることを改めて示しました。

 国営テレビは24日、カダフィ大佐の電話音声を放送。大佐は国際テロ組織アルカイダのビンラディンが反政府派を操っているなどと非難しました。

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