2011年2月26日(土)「しんぶん赤旗」

「1票の格差」拡大

衆院小選挙区 2倍超97に

10年国勢調査


 総務省は25日、昨年10月に実施した2010年の国勢調査速報値に基づく衆院小選挙区別人口、参院選挙区別議員1人当たり人口を発表しました。その結果、議員1人当たりの人口の差を示す「1票の格差」は、衆院小選挙区で最大2・524倍、参院選挙区では5・126倍となり、それぞれ前回の05年国勢調査より拡大しました。

 衆院300小選挙区で議員1人当たりの人口が最も多かったのは千葉4区の60万9081人、最も少なかったのは高知3区の24万1343人でした。05年調査で2・203倍だった両選挙区の最大格差がさらに拡大しました。また、最少人口選挙区との格差が2倍を超えた選挙区も、前回調査の48選挙区から、全体の3分の1近い97選挙区に増えました。

 衆院小選挙区の区割りについては、衆院選挙区画定審議会設置法で、国勢調査の結果を踏まえ、最大格差を2倍未満とすることを基本としています。格差是正は急務ですが、二つ以上の選挙区にまたがる自治体が増えるなど、小選挙区制度自体が抱える矛盾も出ています。

 衆院比例代表の11ブロック別では、議員1人当たり人口は、最多が東京で77万4221人、最少は四国で66万2868人。格差は1・168倍です。

 一方、参院選挙区の議員1人当たり人口は、最も多い神奈川県が150万8250人、最も少ない鳥取県が29万4209人でした。「1票の格差」は前回調査より0・28ポイント拡大しました。


抜本是正を

穀田氏が談話

 日本共産党の穀田恵二国対委員長は25日、「1票の格差」を示した国勢調査速報値について次の談話を発表しました。

 衆院小選挙区で2・524倍、参院選挙区で5・126倍にのぼる「1票の格差」は放置できない事態であり、抜本的に格差を是正し、憲法上の要請である「投票権の平等」を実現することは、喫緊の課題である。

 衆院でも参院でも現行制度の枠組みの中で抜本是正を実現するには、さまざまな矛盾と困難があり、選挙制度のあり方そのものに踏み込んだ検討が不可欠だ。

 その際、重要なことは、「1票の格差」の是正はもちろんだが、多様な民意を議席に正確に反映できる制度にすることである。その点で、議席に結びつかない「死票」が半数を超える小選挙区制は最悪の非民主的制度であり直ちに廃止し、比例代表的な制度に改めるべきである。各党協議が開始されている参院選挙制度の改革でもこうした観点が大事だ。ましてや比例定数の大幅な削減などということは断じて認められない。





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