2011年2月22日(火)「しんぶん赤旗」

リビア

首都で衝突 死者61人

反政府派 政府機関など襲撃


 【カイロ=小玉純一】北アフリカのリビアでは、20日夜から21日にかけて、最高指導者カダフィ大佐の一族の追放を求める反政府デモが首都トリポリにまで及び、政府の主要機関を制圧しました。40年余続くカダフィ政権は、崩壊の危機に直面しています。

 中東の複数のテレビ局によると、反政府派は国営テレビ・ラジオ局を占拠したほか、政府行政機関にあたる人民委員会の施設など政府庁舎も襲撃。首都で多くの国軍兵士や警官が反政府派に寝返りました。首都の国軍との戦闘ではこれまでに61人が死亡しました。

 カダフィ大佐の次男セイフ・イスラム氏は21日未明、テレビ演説し、「最後までたたかう」と表明しました。

 一方、政府軍との激しい戦闘が続いていた東部ベンガジでは、政府軍が反政府側に寝返り、町は反政府側の支配下に入ったままになっています。東部アジダビアでは従業員のストライキで石油生産が停止。反政府デモは、カダフィ大佐支持層が多いとされていた西部のミスラタやザウィアにも波及しています。

 国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチは20日、死者が過去4日間で少なくとも233人にのぼったと発表。リビアの宗教や氏族の代表は、リビアの体制側の人々に「イスラム教徒の同胞を殺すな。いますぐ虐殺をやめよ」との訴えを発表しました。


 リビア 面積176万平方キロ(日本の約4・6倍)、人口629万人(2008年)。宗教はイスラム教スンニ派。1951年12月に独立し、69年9月のクーデターでカダフィ大佐が権力を掌握。70年代から国際的にテロ組織を支援し、米政府は2006年6月まで同国を「テロ支援国家」に指定していました。

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