2011年2月21日(月)「しんぶん赤旗」
軍が撤退 数千の群衆
バーレーン
【カイロ=小玉純一】バーレーンで19日、首都マナマ中心部の「真珠広場」付近から軍・警察が撤退し、民主化を求める人たちが再び集まり数千人に達しました。同夜、政府は改革を求める反対派勢力との対話を開始すると発表しました。
軍の撤退は最高司令官を兼務するサルマン皇太子が命じたもの。皇太子は18日、ハマド国王の命を受け国民的対話を呼び掛けていました。これに対し、野党は軍の撤退が必要だとして対話を拒否していました。「真珠広場」に戻った教師のモハンマド氏はメディアに「もう死を恐れない。軍が私たちを殺せば彼らがどんなに野蛮かを世界に示すことになる」と語りました。
17日には、同広場で泊まり込んでいたデモ隊を治安部隊が強制排除していました。この1週間に治安部隊によって市民6人が殺されています。
軍の撤退命令が出される数時間前には、オバマ米大統領がハマド国王に電話で、暴力を批判し国民の権利尊重を求めていました。同国にはペルシャ湾やアラビア海などをにらむ米第5艦隊の司令部が置かれ、米国の中東戦略の要となっています。
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