2011年2月18日(金)「しんぶん赤旗」

エクアドル 環境破壊 米企業を断罪

石油大手に謝罪と賠償命令 地方裁判決


 【メキシコ市=菅原啓】エクアドル北東部スクンビオス県の地方裁判所は14日、米石油企業シェブロン社に対し、石油採掘による環境破壊は企業側に責任があるとして、被害住民への公式の謝罪と約86億ドル(約7200億円)の賠償金支払いを命じる判決を言い渡しました。


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 現地からの報道によると、米国系石油大企業が外国司法当局によって裁かれ、賠償を命じられるのは史上初めてです。

 スクンビオス県とその南に隣接するオレジャナ県では1964年から1990年まで、米石油企業テキサコが操業。原油の流出などで土壌や水源が汚染され、付近に居住する先住民を中心に約3万人が健康被害を受けたとされています。同社は2001年にシェブロン社に買収されました。

 被害者団体は、シェブロン社を相手に責任追及と賠償金請求の訴訟を起こしていました。

 判決は、シェブロン社に、住民への賠償金の他、環境保護法違反として賠償金の10%に当たる罰金を支払うことを命じました。また、同社が住民に対する謝罪を拒否する場合には賠償金を2倍に増額するとしています。

 被害者団体の代表ルイス・ジャンサ氏は15日の記者会見で、判決を「歴史的なもの」で、「共同の勝利だ」と表明。同時に賠償金86億ドルは環境被害回復には不十分だとして、控訴する方針を明らかにしました。

 シェブロン社のジェームズ・クレイグ広報担当は15日、裁判で採用された調査報告書の内容がねつ造されたものだと主張し、控訴する意思を表明しました。





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