2011年2月18日(金)「しんぶん赤旗」
沖縄・嘉手納基地 降下訓練を米軍が強行
住宅密集地に隣接 一つ間違えば…
2市町議会が抗議
沖縄市議会と嘉手納(かでな)町議会は17日、米軍のパラシュート降下訓練にたいする抗議と中止を求める意見書・決議を全会一致で可決しました。北谷(ちゃたん)町議会も21日に同様の決議を予定しています。
|
米軍が県や嘉手納、北谷両町と沖縄市の中止要請を無視して嘉手納基地でパラシュート降下訓練を強行したのは16日午前。4年ぶり5回目。
訓練をしたのは、嘉手納基地所属の第18航空団と第353特殊作戦群。約1時間前に同基地を飛び立った米軍の特殊作戦機MC130から午前10時半、兵士6人が次々降下しました。
降下地点は、基地内の北側滑走路の西端に位置する緑地帯。基地に隣接して国道58号がはしり、住宅密集地が広がっています。
監視していた嘉手納町議会の田仲康栄・基地対策特別委員長(日本共産党)は、「かなり上空から降下しました。南から吹く風でパラシュートは北に流され、一つ間違えば大惨事」と指摘します。
パラシュート降下訓練はSACO(日米特別行動委員会)合意により、1996年から同県の伊江島補助飛行場で行うことになっていますが、米軍は悪天候を理由に「例外」と強弁。当日の伊江島の天候は「晴れ。風も強くなかった」(伊江村役場)にもかかわらず、日本政府も米軍に追従しています。
同町議会は、4年前の訓練強行の際、「例外的措置を認めれば、米軍の都合が優先され同基地での訓練が恒常化する」と批判していました。
■関連キーワード