2011年2月17日(木)「しんぶん赤旗」

主張

新・国際署名

核兵器禁止条約の交渉開始を


 「核兵器全面禁止のアピール」を支持する国際署名が15日、原水爆禁止日本協議会(日本原水協)のよびかけに応えた日本と世界の広範な人々の賛同を得て発表されました。

 国連の潘基文(パンギムン)事務総長からは、「全面的に支持する」とのメッセージがよせられました。原水爆禁止の国際署名運動が、国連の支持をうけて開始されるのは歴史的にもはじめてのことで、内外の熱い注目と期待を集めています。

昨年のNPT会議を受け

 新しい署名は、「核兵器のない世界」を願う世論と運動、国際政治での努力がきりひらいた新しい情勢に応えたものです。

 昨年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議は、「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことを決議し、核兵器禁止条約の交渉をふくむ潘事務総長の提案にもふれて、すべての国にその「枠組み」づくりに「特別の努力」をはらうよう求めました。

 さらに、昨年末の第65回国連総会でも、多くの国がNPT会議の成果をふまえて、核兵器廃絶の実行を求めました。核兵器禁止条約の交渉開始を求める決議には、133カ国が賛成しました。

 広島、長崎市長が先頭にたつ平和市長会議に参加する自治体が国内過半数に達するなど、自治体からも「核兵器のない世界」をもとめる声があがりつつあります。

 草の根から自治体、国連幹部までが一致して訴えるまでになった「核兵器禁止条約を交渉せよ」の声を総結集するのが、この新しい国際署名運動です。

 新しい「国際署名」は、この間の運動の成果にたって、国民的な核兵器禁止の運動を発展させるものでもあります。

 NPT再検討会議にむけて、政治信条や思想の違いをこえて、地域や自治体ぐるみのとりくみが発展しました。それも力となって、共同の枠がさらに大きく広がろうとしています。今回新たに賛同者となった著名人の方や、支持を表明された首長なども少なくありません。また、さまざまないきさつをこえて、はじめて実現した団体の共同も地域で生まれています。この運動に「垣根」はありません。

 日本の原水爆禁止運動の原点となったビキニ水爆被災(1954年)を契機にした署名運動は、文字通り住民ぐるみの日本をゆるがす大運動でした。今回の署名は、その原点をよみがえらせ、全国民的な運動として発展することが期待されています。

被爆国としての責務を

 国際政治で核兵器禁止を求める声が大勢となり、国連事務総長も交渉開始を呼びかけているいま、それに応えるのが被爆国としての日本の責務です。新しい署名は、日本の運動が、それに正面から応えたものです。

 被爆者を先頭とする日本の運動が国際社会の広い支持を集めているとき、日本の政府に求められるのは、アメリカの「核の傘」にしがみつき続けることをやめ、非核の日本と核兵器禁止条約実現のために尽力することです。

 日本共産党は被爆国の政党として、昨年のNPT再検討会議をはじめあらゆる機会に「核兵器のない世界」の実現を訴えてきました。「核兵器全面禁止のアピール」を支持し、新しい署名運動の成功のために力をつくします。





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