2011年2月15日(火)「しんぶん赤旗」

エジプト 大統領選は半年後

軍が表明


 エジプトではムバラク大統領の辞任後、軍の最高評議会が実権を掌握しました。半年後をめどに大統領選・議会選、その前の憲法改正案の是非を問う国民投票の実施など、「改革」を表明する一方、民主化に疑念を持つ国民の抗議行動を取り締まる動きもみせています。


 【カイロ=伴安弘】エジプト軍最高評議会は13日、現憲法の停止など、次の9項目の措置をとったことを明らかにしました。

 (1)憲法の停止(2)軍最高評議会は人民議会(下院)と諮問評議会(上院)、および大統領の選挙が実施されるまでの6カ月間、一時的に国の統治に当たる(3)(タンタウィ)軍最高評議会議長が内外的に国を代表する(4)人民議会と諮問評議会を解散する(5)軍最高評議会が移行期間、法令を出す(6)憲法の多数の条項を改定する委員会を設置し、(改正案を)国民投票に付す(7)シャフィク氏(首相)の政府が新しい政府ができるまで仕事を続ける(8)人民議会、諮問評議会、大統領の選挙を実施する(9)国はすべての国際条約を履行し、それらの条約の当事者としてふさわしい行動をとる。

条約順守 米・イスラエル歓迎

 エジプトのムバラク大統領の辞任を受けて全権を掌握した軍最高評議会が、民政移管を保証し、すべての国際条約を順守すると表明したことについて、米国とイスラエルはそれぞれ歓迎を表明しています。

 オバマ米大統領は12日、英国のキャメロン首相、ヨルダンのアブドラ国王、トルコのエルドアン首相とそれぞれ電話で会談。「民主主義は地域にいっそうの安定をもたらす」として、エジプトの民政移管への支援を呼びかけました。

 バイデン副大統領も13日、イラクのマリキ首相と電話で会談し、エジプトの平和的な改革を歓迎しました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は同日の閣議で、エジプトとの平和条約は「両国のみならず、中東全体の平和と安定の礎石となっている」と表明。エジプト軍が同条約を順守すると表明したことを歓迎しました。

 エジプトのシュクリ駐米大使は同日放映の米ABCテレビの討論番組で、イスラエルとの平和条約がこの30年間、エジプトに平和をもたらしてきたとして、継続すると強調。イスラエルのバラク国防相は同番組でのインタビューで、「イスラエルとエジプトの関係が危機にあるとは思わない」と述べました。





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